アパレルのプロとして現場に長く関わってきて感じるのは、
「洗濯の失敗」はちょっとした知識不足から起きているケースがとても多い、ということです。
今回は、自宅で洗濯するときに
最低限これだけは知っておいてほしい注意点を3つ、ご紹介します。
3つ目は、意外と知られていないポイントかもしれません。
■ 洗濯の注意点①
デニムは色が濃いうちは「必ず分けて洗う」
デニムは染料の性質上、
新品〜数回洗濯するまでは強く色落ちします。
特に注意したいのは、
・白いTシャツ
・淡い色のタオル
・下着や靴下
これらと一緒に洗ってしまうこと。
「一度の洗濯で薄く色がついただけ」に見えても、
繰り返すことで生地全体がくすんでしまいます。
濃色のうちは、
必ず単独洗い、もしくは同系色だけで洗うのが鉄則です。
■ 洗濯の注意点②
汗汚れは「水洗い」でしか落ちない
意外に思われるかもしれませんが、
汗汚れは油汚れとは性質が違います。
汗の主成分は水溶性。
つまり、お湯や洗剤よりも
「水でしっかり流すこと」が重要です。
お湯で洗ったり、
乾燥機にかけてしまうと、
汗の成分が繊維に定着してしまい、
・黄ばみ
・臭い
・生地の劣化
につながります。
汗をかいた衣類ほど、
できるだけ早く、水ベースで洗うことが大切です。
■ 洗濯の注意点③
実は危険なのは「洗っている時」より「脱水」
あまり知られていませんが、
色移りが最も起きやすいのは
洗い工程よりも「脱水工程」です。
脱水中は、
・水分が一気に抜ける
・衣類同士が強く密着する
・染料が濃縮された水が動き回る
この状態で、
色落ちした染料が他の衣類に付着します。
「洗いは問題なかったのに、
脱水後に色移りしていた」
というケースは、実はとても多いです。
だからこそ、
色落ちが心配な衣類は
脱水時間を短くする、
もしくは別で脱水するのが安全です。
■ まとめ
洗濯での失敗を減らすポイントは、
高級な洗剤や特別な道具を使うことではありません。
素材の特性や染料の特徴を
少しだけ理解しておくこと。
それだけで、
・色移り
・黄ばみ
・縮み
・生地の劣化
といったトラブルは、確実に減らせます。
家の洗濯で失敗したくない方は、
「なぜそうなるのか」を知るところから始めてみてください。
詳しい解説や、アイテム別の注意点は
別の記事でも紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください。